アート

名古屋市美術館 展覧会「静けさのなかから」

会期は4月24日(土)~7月4日(日)。前期(桑山忠明展)と後期(村上友晴)ですべて展示替となり、前期(桑山忠明)は4月24日(土)~5月30日(日)。

概要

過剰な物質と過激な色彩に溢れた現代社会に生きている私たちは、日常生活のなかで常に喧騒に晒され続け、一瞬たりとも心身の休まる時間がありません。

朝から晩まで絶え間なく時間に追われ、仕事も余暇も食事も睡眠も満足にできない毎日に忙殺されて、反射的な瞬時の判断や金銭的な損得の勘定ばかりが求められ、自己の存在や物事の本質について考えることも、優しい気持ちで愛を語り、お互いを思いやることすら忘れられています。

このような現代社会において、貴重で稀有な「救済の場」となるのが美術館です。広々とした静かな空間のなかで、ゆったりとした時間の流れに身を任せて、自己の眼と心を開いて、美術作品と向かい合うことで、そこから密やかに現れてくるものや微かに聞こえてくるものを感じる体験は、持続的で強烈な刺激に摩滅、消耗した私たちの心身を快復するためには、何よりの良薬になります。

 

桑山忠明(1932~ )と村上友晴(1938~ )は、二人とも日本画から出発して、現在ではミニマル・アートの文脈のなかで、国際的にも高く評価されている芸術家です。

この二人の美術家が長い時間を掛けて、ゆっくりと制作の歩みを続け、少しずつ作品を積み重ねるなかで、築きあげてきた二つの世界(それは共通性を持ちながら対照的なものですが)を連続して鑑賞することは、私たちが生きていくために大切なことを思い出して、それを取り戻す絶好の機会になります。

 

神社の境内や寺院の堂宇のように、協会の礼拝堂やモスクの聖堂のように、あるいは古代遺跡の神殿や砂漠の洞窟のように、二人の美術家の世界が広がった美術館の展示室のなかで、過ぎ去った時間に生きた人間の気配が漂う清らかな空気に満たされた「静けさのなかから」密かに現れてくるものと出会い、微かに聞こえてくるものと対話を交わすことを願っています。

 

また、今回の展覧会は、新作を含めた連続個展という形式で開催するものですが、それぞれの美術家にとって初めての本格的な回顧展として、極めて貴重な機会になります。

静けさのなかから桑山忠明村上友晴
開催期間
2010年4月24日(土)~7月4日(日)
前期(桑山忠明):4月24日(土)~5月30日(日)
後期(村上友晴):6月1日(火)~7月4日(日)

名古屋市美術館
名古屋市中区栄二丁目17番25号(白川公園内)
電話 052-212-0001 Fax 052-212-0005

アクセス:
地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」より徒歩8分
地下鉄鶴舞線「大須観音」より徒歩7分
地下鉄名城線「矢場町」より徒歩10分

駐車場 あり(有料)

開館時間:
午前9時30分~午後5時(入場は4時30分まで)金曜日は、午後8時(入場は7時30分)まで(祝日にあたる場合は除く)

休館日:
毎週月曜日 (5月3日は開館、5月6日は休館)

観覧料:
一般2回券
当日:1,700円 ・ 前売:1,500円
一般
当日:1,100円 ・ 割引:1,000円 ・ 前売:900円
高大生2回券
当日:1,100円 ・ 前売:900円
高大生
当日:800円 ・ 割引:700円 ・ 前売:600円
小中生
当日:400円 ・ 割引:300円 ・ 前売:200円

入館料の条件等
※2回券は、会期中に1名2回または2名1回でご利用いただけます。
※前売券は主要プレイガイド、チケットぴあ、主なコンビニエンスストアなどで4月23日(金)までお買い求めいただけます。
※本展では、団体(20名以上)券の販売はありません。
※特別展「静けさのなかから:桑山忠明/村上友晴」の入場券で常設展もご覧いただけます。
※身体等に障害のある方は手帳の提示により本人と付添者2名まで当日料金の半額になります。窓口にてお問い合わせください。
※名古屋市交通局の「ユリカ」「一日乗車券」「ドニチエコきっぷ」を当日利用して来館された方は、100円割引いたします。ただし、2回券は除きます。
※「当館HPの割引券」等の提示で100円割引の制度があります。ただし、2回券は除きます。
※いずれも他の割引との併用はできません。

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